NPOを法人化するメリットは?
法人化をするメリットは、個人名義で行っていた、銀行口座の開設・不動産の登記・事務所の賃貸契約等を、法人名義で行えるようになります。
その他、情報公開を通じて、社会的信用度が高まることから、行政・企業と協働する機会を増やし、協働による収益を得ることができます。
NPO法人を設立するときに資本金は必要ですか?
結論からいってNPO法人は設立するのに資本金は必要ありません。正式にNPO法人は資本金という言い方はせず、設立当初の財産といいますが0円でも可能です。会社の場合は1円以上必要です。
税制面でのメリットはありますか?
NPO法人の場合、収益事業をしない団体にいたっては、税金の減免申請を毎年行えば全く税金がかかりませんので、通常の会社法人と比べても節税対策が可能ですが、税法上、次の3要件をいずれも満たす場合に、収益事業とみなされます。
- 33事業の業種で
- 継続して
- 事業場を設けて営まれるもの
税法上は外形、外見的要件(簡単にいうと見た目)で判断されることになり、事業形態により税務署から税法上の収益事業とみなされれば、その他の事業(収益事業)はもとより、特定非営利活動(本来事業)であっても課税対象となります。
33事業とは以下の事業のことをいいます
物品販売業 | 不動産販売業 | 金銭貸付業 | 物品貸付業 | 不動産貸付業 |
製造業 | 通信業 | 運送業 | 倉庫業 | 請負業 |
印刷業 | 出版業 | 写真業 | 席貸業 | 旅館業 |
料理店業その他の飲食店業 | 周旋業 | 代理業 | 仲立業 | 問屋業 |
鉱業 | 土石採取業 | 浴場業 | 理容業 | 美容業 |
興行業 | 遊戯所業 | 遊覧所業 | 医療保険業 | 技芸教授業 |
駐車場業 | 信用保証業 | 無体財産権提供 |
NPO法人の設立にはどのくらい期間がかかりますか?
設立認証申請書類を管轄の都道府県庁に提出し、受理してから2ヶ月間は縦覧(誰でも見てよい)の期間になります。そして、縦覧後2か月以内(申請受理日から4か月以内)に認証又は不認証が決定します。
認証書が到達した日から2週間以内にその主たる法務局において登記をしなければなりません。
所轄庁に申請書類を提出する前段階として設立趣旨書、定款案などを作成して設立総会開催し、その後申請書類を作成することを考えるとトータル5~6か月はかかると予測できます。
活動実績がないとNPO法人の認証はされないのでしょうか?
NPO活動の実績がないと認証を受けられないということはありません。しかし、NPO法人を設立するための目的、事業計画など具体化しなければ認証を受けることは難しいでしょう。また、NPO法人を運営して行くことも困難です。
将来NPOを組織変更して、株式会社にする事は可能ですか?
NPOを組織変更して株式会社とする事はできません。
株式会社や他の法人との合併は可能ですか?
NPOが合併できるのは、他のNPOのみです。それ以外の法人との合併はできません。
営利を目的としないとはどういうことですか?
NPO活動の基本、「非営利」とは、「利益を設立者、役員(理事・監事)、会員などの関係者に分配しない」という意味です。この点が、株主への利益配当を目的とする株式会社などと異なります。
また、「非営利」は「無報酬」ということではありません。NPO法人は社会貢献活動を組織的かつ継続的に行いますので、事務所を借りたり、有給のスタッフ、有償ボランティアを雇うことも必要になるでしょう。サービス(NPOの社会貢献活動)の提供に要する「費用」を回収することはむしろ当然と言えます。